フィントケイのスイング攻略「1日の損失ルール」の罠と解

Fintokei（フィントケイ）でスイングトレードに挑戦しようと考えた時、

「フィントケイって1日の損失5%のルールがあるけど、ポジションを持ち越すスイングトレードなんて本当にできるの？」

と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

特に、含み益（まだ決済していない利益）が出ているポジションを持ち越した場合、その含み益のせいで翌日の失格ラインが厳しくなって（＝切り上がって）、ちょっとした価格の押し戻しで失格になってしまうのではないか。

そんな「トレーリング・ドローダウン」の罠を心配に感じるかもしれません。

この記事では、そんなFintokeiでスイングトレードを行うことに関する様々な疑問を解消するため、その核心的な戦略、特に「チャレンジプラン・スイング」だけが持つ、1日の損失ルールに関する『ある特別な仕組み』と、それを活かした攻略法について、詳しく掘り下げていきます。

フィントケイでのスイング戦略の核心

Fintokeiでスイングトレードを成功させるためには、まず「何が許されていて、何が禁止されているのか」という根本的なルールを理解する必要があります。

特にポジションの持ち越しや損失ルールは、他のプロップファームやFintokeiの他プランとも異なる場合があるため、しっかり確認していきましょう。

スイングの持ち越しルール解説

Fintokeiでスイングトレードを考える上で、誰もが最初にぶつかる壁が「ポジションの持ち越し」です。

Fintokeiの通常プラン（速攻プランなど）では、「1日の損失5%」のルールが「有効証拠金（Equity）ベース」で計算されます。

これは、含み益が出ると、その含み益に合わせて失格ラインも切り上がっていく（＝トレーリングする）ことを意味します。

これでは、せっかく含み益が乗ったポジションをスイングで持ち越しても、失格ラインがすぐ背後に迫ってきてしまい、わずかな押し戻しで失格になるリスクがあります。

事実上、利を伸ばすスイングトレードは非常に困難です。

でも、安心してください。

Fintokeiは、この問題を解決するために、スイングトレード専用に設計された特別なプランを用意しています。

それが「チャレンジプラン・スイング」（通称：スイングプラン）と呼ばれるプランです。

そして、この「チャレンジプラン・スイング」に限り、オーバーナイト（日またぎ）も週末の持ち越しも、戦略的に「有利」に行うことができます。

なぜなら、このプランだけが採用している「残高ベース」という特殊な「1日の損失5%」のルール（詳細は次の見出しで解説します）によって、含み益をリスクの緩衝材（クッション）として使えるからです。

EA（自動売買）活用の是非

Fintokeiでは、EA（自動売買）の利用についても多くのトレーダーが関心を持っています。

Fintokeiのルールでは、原則としてEAの利用が許可されています。

ただし、いくつかの禁止取引（例：特定のアービトラージ戦略など）に該当しないことが条件です。

一般的なスイングトレード戦略やポジショントレード戦略を自動化するEAであれば、問題なく使用できる可能性が高いです。

「1日の損失5%」の特殊ルール

そして、ここからがFintokeiのスイング戦略における最重要ポイントです。

前の見出しで触れた「チャレンジプラン・スイング」が、なぜスイングトレードに最適なのか、その核心となる特殊ルールを解説します。

Fintokeiの通常プランとスイングプランでは、「1日の損失5%」の失格ラインの計算方法が根本的に異なります。

「通常プラン」 vs 「スイングプラン」 1日の損失ライン比較

言葉で説明するよりも、表で比較した方が一目瞭然かと思います。

通常プラン：「有効証拠金ベース」の罠（トレーリング）

表の通り、通常プラン（速攻プランなど）は「有効証拠金（Equity）ベース」で、かつトレーリング（追従）する仕組みです。

例えば、1,000万円の残高でスタートし、100万円の含み益が出て有効証拠金が1,100万円になったとします。この場合、1日の損失ラインも1,100万円を基準に再計算され、例えば1,045万円（1,100万円-5%）のように切り上がってしまいます。

この状態で含み益が減って1,045万円に達すると、たとえ元の残高1,000万円より多くても失格となってしまいます。これでは含み益を伸ばすスイングトレードは困難です。

スイングプラン：「残高ベース」の優位性（固定）

一方、「チャレンジプラン・スイング」は「残高（Balance）ベース」で、かつ固定される仕組みです。

これは、「1日の損失5%」の失格ラインが、毎日UTC 0時（日本時間午前9時 ※サマータイム中は午前8時）時点の「確定残高」を基準に計算され、その日はそのラインで固定される、というルールです。

同じ例で、1,000万円の「確定残高」でスタートした場合、その日の「1日の損失5%」の失格ラインは950万円で固定されます。

その後に100万円の含み益が出て有効証拠金が1,100万円になったとしても、失格ラインは950万円のまま変わりません。つまり、トレーダーは150万円（1,100万円 – 950万円）という非常に大きな「遊び（クッション）」を手に入れることができるのです。

この「失格ラインが含み益に追従しない」というルールこそが、スイングトレードを可能にする最大の攻略法です。

全体の損失率と固定ドローダウン

「1日の損失5%」ルールと並んで重要なのが、「全体の損失率」ルールです。Fintokeiスイングプランの場合、これは-10%に設定されています。

例えば、初期資金1,000万円のプランであれば、失格ラインは900万円です。

そして、ここにもスイングプランの大きなメリットが隠されています。この-10%のラインも、「初期残高を基準にした固定ドローダウン」である点です。

スイングトレードの禁止事項

Fintokeiのスイングプランは自由度が高いですが、もちろんいくつかの禁止事項や制限も存在します。

これを知らないと、意図せずルール違反になる可能性もあるため注意が必要です。

取引できない商品

最も大きな制限は、取引可能な商品です。スイングプランでは、以下の商品の取引ができません。

• 暗高通貨 (仮想通貨CFD)
• 株式CFD (個別株)

取引可能なのは、主に「FX通貨ペア」「貴金属（ゴールドなど）」「エネルギー」「株価指数（日経225やS&P500など）」です。

ビットコインやNVIDIA株などでスイングトレードをしたいと考えていた方には、残念ながら適していません。

「オープンポジションリスク －3%」の罠

もう一つ、Fintokeiのルール（データベース情報による）には、非常に重要な「安全装置」的なルールが存在する可能性があります。

それが「オープンポジションに対する最大許容リスク －3%」です。

スキャルピングは認められるか

「スイングプラン」という名前ですが、「このプランでスキャルピングをしても良いのか？」と疑問に思う方もいるかもしれません。

Fintokeiの規約上、特定の禁止取引（例：超高速HFTなど）を除けば、取引手法自体を厳しく制限しているわけではないようです。

しかし、このプランは明確に「スイング・ポジショントレーディングに最適化」されています。

そもそも、スキャルピングを行うのであれば、「1日の損失ラインが固定される」という最大のメリットを全く活かせません。

スキャルピング目的であれば、スプレッドや約定速度がより有利な、他のプラン（例えば速攻プランなど）を選択するのが合理的だと僕は考えます。

あえてスイングプランで短期売買を行うメリットは、ほぼ無いと言って良いでしょう。

フィントケイ スイングプランの詳細と攻略法

前のセクションで、Fintokeiでのスイング戦略の核心が「チャレンジプラン・スイング」（通称スイングプラン）にあることを解説しました。

このセクションでは、そのスイングプランの具体的なスペック（手数料や返金条件）や、メリット・デメリットを踏まえた攻略法について、さらに詳しく掘り下げていきます。

プラン手数料と返金の条件

まず気になるのが、プランの参加費用（手数料）です。Fintokeiのプランは買い切り型で、月額費用などは発生しません。

例えば、初期資金1,000万円の「ルビー・スイング」プランの場合、プラン価格は69,800円（税込）です。

「ちょっと高いな」と感じるかもしれませんが、Fintokeiには非常に魅力的な「プラン料金返金制度」があります。

プラン概要（ルビー・スイング 1,000万円プランの場合）

参考までに、代表的な「ルビー・スイング」プランの主なルールと条件を表にまとめます。

(※) 30日間に1回以上の取引活動が必須

他プランとの決定的な違い

Fintokeiには速攻プランなど、他にも魅力的なプランが存在します。

それらのプランと「スイングプラン」との決定的な違いは、すでにお伝えした通り「1日の損失5%」ルールの計算方法です。

この違いが、スイングトレードを行う上で決定的な差となります。

• スイングプラン: 残高ベース（固定）。含み益が出ても失格ラインが切り上がらない。スイングに最適。
• 通常プラン（速攻など）: 有効証拠金ベース（追従）。含み益が出ると失格ラインも切り上がる。スイングに不向き。

もしあなたがデイトレーダーで、ポジションを翌日に持ち越すことが絶対にないのであれば、通常プランも選択肢に入ります。

しかし、「スイングトレードをしたい」という目的が明確であれば、失格ラインが追従するプランを選択するのは、戦略的に見て非常に不利です。

含み益をクッションにできないルールでは、利を伸ばすスイングトレードはできません。

Fintokeiでスイングをするなら、スイングプランを選ぶのが唯一の選択肢と言っても過言ではないでしょう。

チャレンジプラン・スイング独自のメリット

「チャレンジプラン・スイング」のメリットを、改めて整理してみましょう。これは、まさにスイングトレーダーのために設計されたルールセットです。

【攻略法】3大メリットを活かす戦術

では、これらの3大メリットを具体的にどうトレードに活かせばよいのでしょうか。ここが「攻略法」の核心部分です。

攻略法①：「残高ベース」の徹底活用（含み益クッション戦略）

最大のメリットである「失格ラインが固定される」ルールは、「含み益をバッファにする」戦術を可能にします。

1,000万円の残高で、失格ラインが950万円に固定されたとします。あなたのスイングトレードがうまくいき、100万円の含み益が出ました（有効証拠金1,100万円）。

この時、通常プランなら失格ラインが1,045万円などに切り上がってしまい、55万円しか余裕がありません。

しかし、スイングプランなら失格ラインは950万円のままです。あなたは150万円（1,100万 – 950万）という膨大なバッファを自由に使えるのです。

このバッファを使って、ポジションを決済せずに週末や経済指標をまたぎ、「利を伸ばす」ことこそが、最大の攻略法です。

攻略法②：「固定ドローダウン」の活用（利益クッション戦略）

全体の損失ラインが-10%で「固定」されている点も同様に活用できます。

例えば、1,000万円のプランで5%（50万円）の利益を「決済して」残高が1,050万円になったとします。

この時、全体の失格ラインは900万円のまま変わりません。

つまり、あなたは「150万円（1,050万 – 900万）」の損失許容額（バッファ）を手に入れたことになります。

この得た「確定利益」を「安全なクッション（緩衝材）」として利用し、次のトレードで少しリスクを取った（＝より大きな利益を狙う）積極的なトレードを仕掛ける戦術が可能になります。

攻略法③：「最大取引日数無期限」の活用（A+セットアップ待機戦略）

これは最もシンプルかつ強力な攻略法です。それは「待つこと」です。

スイングトレードで勝率を上げるには、自分の戦略に完璧に合致した「優位性の高い（A+）相場」が来るまで、ひたすら待つ忍耐が求められます。

このプランは最大取引日数が無期限（※活動要件あり）であり、最低取引日数はわずか3日です。

焦って不得意な相場で無理にトレードをする必要は一切ありません。

「勝てる見込みの高い相場が来るまでエントリーしない」こと自体が、このプランにおける最大の攻略法の一つと言えるでしょう。

知っておくべきデメリットと注意点

もちろん、メリットばかりではありません。スイングプランを選ぶ前に、必ず理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。

Fintokeiは、短期的なハイリスク・ハイリターンよりも、安定した長期的なパフォーマンスを求めていることが、このルールからも分かりますね。

まとめ：フィントケイでのスイングトレード成功の鍵

今回は、Fintokeiでのスイングトレード戦略と、それに最適な「チャレンジプラン・スイング」について詳しく解説してきました。

Fintokeiでスイングトレードを成功させる最大の鍵は、「1日の損失5%」の失格ラインが、含み益が出ても切り上がらない「残高ベース（固定）」であるという、スイングトレーダーにとって非常に有利なルールを深く理解し、それを最大限に活用することです。

含み益を安全なクッションとして利用し、利を伸ばせる環境は、他のプロップファームではなかなか見られません。